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【株式会社養殖屋】「日本海水学会 第76年会」にて「親潮賞」を受賞

目次

  1. 「日本海水学会年会」とは
  2. 株式会社養殖屋の発表内容
  3. おわりに

「日本海水学会年会」とは

「日本海水学会年会」は、製塩、淡水化、食品、環境、生物資源など、広範な分野における塩および海水に関する科学技術の進歩発展ならびに普及を目的として、学術研究団体である日本海水学会が主催する年次大会で、学術的な研究発表や、関係者間の情報交換、交流の場として開催されています。

今回受賞した「親潮賞」は、技術的・人的交流を目的として大学の研究室および企業等を紹介する「技術交流セッション」における最優秀賞に相当するもので、海水に関する研究や企業活動の分野で顕著な成果を挙げた個人またはチームに贈られるものです。

株式会社養殖屋の発表内容

本発表では、「完全閉鎖循環型陸上養殖による海ぶどうの栽培と水処理を用いた食糧生産への取り組み」をテーマに、海ぶどうの新たな養殖モデルを提案しました。

従来の海ぶどう養殖は、海水を常時入れ替えるかけ流し式(取水・排水を繰り返す方式)が一般的でしたが、本研究では水を循環浄化して再利用する閉鎖循環式室内養殖システムを採用し、環境変動に左右されない安定的な高品質生産を実現しています。


本システムの主な特徴

① 海水を「平面」ではなく立体的な環境として設計し、光合成効率と成長速度を向上
② 断熱性の高い建物やリーファーコンテナ内にシリンダー型水槽を設置し、エアコンによる室温・水温の精密管理を実現
③ 天然海水だけでなく人工海水を利用した養殖を可能にし、地域環境への依存を軽減
④ シリンダー水槽内で波や潮流を再現し、自然環境に近い生育条件を再構築
⑤ 海水中へのCO₂溶解による光合成促進
⑥ 天然由来ミネラルの添加による成分・栄養管理の高度化


これらの要素により、閉鎖循環式室内養殖では、海ぶどうにとって最適な生育環境を安定的に維持でき、粒の付き方・色・長さ・味などの品質を常に高水準で再現することが可能となりました。

また、植え付けから約1か月という短期間で収穫が可能であり、施設面積や使用海水量を大幅に削減できることから、作業効率の向上とともに、従来の陸上養殖に比べて設備費用や運営コストを抑制することにも成功しています。

さらに、この閉鎖循環式室内養殖技術をコンテナ内に内蔵した「コンテナ型海ぶどう生産システム」として展開することで以下のような多面的な価値も期待されます。


「コンテナ型海ぶどう生産システム」が提供する価値

① 高品質な海ぶどうの安定供給
② 場所を選ばない海ぶどう生産の実現
③ 環境負荷の軽減
④ 持続可能な養殖の実現
⑤ 自社の新たなPR・ブランド価値向上
⑥ 社会共通価値(CSV:Creating Shared Value)の創出

現在(2025年9月30日時点)、本システムは全国15カ所の地域で導入が進んでおり、環境調和型の水産業モデルとして注目を集めています。

おわりに

今後は、本養殖技術で得られた知見を基に、他種海藻への適用可能性を検討するとともに、磯焼けなど環境変化に起因する課題を抱える海面養殖分野へ技術を応用し、地域水産業の再生と持続的発展に寄与することを目指します。


ゼブラファーム株式会社
所在地:〒101-0033 東京都千代田区神田岩本町15-1
代表取締役;木村太一
設立:2023年2月
URL:https://zebrafarm.co.jp/

・豊かな海づくり大会〜美し国みえ大会〜
https://yutakana-umidukuri.pref.mie.lg.jp/